保険医協会の主張

 

2010年診療報酬改定 
診療所再診料引き下げに強く抗議           2010年3月号掲載

 

中央社会保険医療協議会(中医協)は、長妻厚生労働大臣から諮問のあった「平成二十二年度診療報酬改定」について答申しました。民主党の鳩山首相は、
「コンクリートから人へ」と社会保障の充実を掲げて政権交代を果たしました。
病院勤務医の過重労働の対策を中心に今回の診療報酬改定でありましたが、診療所の再診料69点の引き下げなど医療現場を無視する内容で、このままでは医療崩壊が加速することが予想されます。これまで保団連・協会は、「診療所の再診料引き下げ反対」、「外来管理加算五分間ルールなどの無条件撤廃」、「歯科の基礎的技術料の評価と引き上げ」などを求めて中医協委員、国会議員など関係者に強く要請してきました。
 保団連・住江憲勇会長談話では、中医協医療実態調査によると、収支差額赤字の医科診療所は、07年の16.99%から09年には28.65%と急増していることを指摘。再診料の引き下げは、診療所の地域医療を担う力を更に低下させるとして、強く抗議しています。また、今回の再診料引き下げが、財源不足を理由にしていることについて、この間診療報酬本体の引き上げ財源から外されていることが明らかになった「後発品のある先発品の追加引き下げ」で捻出される600億円分は、当然改定財源とすべきもの。これを財源とすれば、病院、診療所とも71点で統一が可能であると説明しています。
 今回の診療報酬改定で保団連・協会の要求が不十分ではあるが反映されたことがあります。前回の改定で大きな批判があった「後期高齢者診療料」と「後期高齢者終末期相談支援料」の廃止、「乳幼児加算」の引き上げ、在宅では往診料の引き上げなどがあります。非常に微々たるものですが医療費総枠引き上げが行われたことは、医療担当者、患者、国民の願いが反映したものと思いますが、改定率(0.03%)では、医療崩壊は一層深刻化するであろう。少なくとも総枠で3%以上の診療報酬の引き上げを強く要望します。同時に、患者・国民が必要な医療を受けられるように患者負担の大幅軽減を求めて保団連・協会は国民と共に改善運動を進める覚悟です。

 

「レセプト・オンライン請求義務化」を撤回     2010年1月号掲載

保団連・協会運動実る
昨年十一月二十五日、厚労省は「レセプト・オンライン請求に関する省令改正及び告示について」が出されました。これにより保険請求は原則として電子媒体による方式とオンラインによる方式の選択制になりました。
平成十八年四月に定められた「レセプト・オンライン義務化」に対して保団連・協会は一貫してレセプト請求の手上げ方式を主張し、保険医療を守り、保険医療を支える医療機関を守るために「一人の廃業者も出さない」ことを目指して「義務化撤回」を進めました。今回の省令改正は、「オンライン請求義務化撤廃」となり画期的なことになりました。神奈川協会、大阪協会が中心にオンライン請求義務化撤回訴訟の取り組みを始め、全国の協会・医会の運動だけでなく、患者団体の理解と協力の反映です。
しかし、保団連・協会の求める手上げ方式とは、紙レセプト、電子媒体、オンライン請求のいずれでも医療機関の希望により選択できることです。常勤医が六十五歳以上の医療機関は義務化免除されましたが、請求方法を電子媒体かオンライン請求の二者択一としたことは、全面的に認めることはできません。
レセプト・オンライン請求可能になっても特定検診データとの突合せ、情報漏えいの危険性、患者のプライバシー権の侵害なども未解決で残されます。画期的な成果を勝ち取った運動に確信を持って、今後の医療機関、政府、厚労省そして国民を交えた議論の中で、保険・医療の発展につながる真のIT化を目指す活動が重要になってきます。

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